(JC②)オンラインの読み処理と記憶における図(ダイアグラム)の効果

14/04/30

McCrudden, M. T., Magliano, J. P., & Schraw, G. (2011). The Effect of Diagrams on Online
Reading Processes and Memory
Discourse Processes, 48, 69-92.




Abstract

・目的
  図がどのように,文章のオンライン処理と,読みに影響を及ぼすかを調べる。

・方法
  ■読み時間の測定(実験1&2) 
  ■発話思考法(think-aloud methodologies)(実験3)

・条件
 文章読みに先立って,①図での学習をする,②図学習をしない

・結果
 読み手はオンラインの処理に,より多くの労力を割くことはなかった。しかし,読み時間データ,思考報告データ,再生データに基づいた分析の結果,  no-increased-effort 仮説(=図学習で労力が増えることはない)と想定)を支持した。

・考察
 読解の前の図学習は,オンラインの労力を増やすことなく,説明文章の記憶を促進




序論

付加的ディスプレイ(additional displays。例:図など)

・キーとなるアイデアを理解するために,文章に付随し関連情報を表す補足の素材

・「文章理解と記憶を促進する」ことはよくいわれる


先行研究の多くはオフラインの結果を見るもの

 →読解後のディスプレイ学習の成果。(例:理解,記憶)

 →But, リーダーのオンラインの瞬間瞬間の文章処理に影響を及ぼすかどうかを調べた研究は限られている。

 →オンラインでの影響も調べるべき



図とメンタルモデル

 ・読み手は,図と文章のメンタルモデルを構築する。

 ・図は,文章の要素間の関係を説明する。
  →その関係性への気付きから,メンタルモデルの構築が促進される。



Glenberg and Langston (1992) の研究とその発展

 ・複雑な課題に関連する系列的ステップ(例:エッセイを書く)に関する手続き的な 文を読む際に,図を見る or 見なかった。(※図はステップ間の関係性のみ表示)

 ・オフラインでの読み処理を測定
   →手順:文章中の,遠いところにあるペアと近いペアの再認反応速度を計測
   結果:①図群→どちらも差なし
      ②非図群→近いところのペアの方が反応時間が早い
   考察:図呈示は,ステップ間の明示されていない(implicit)で,遠い関係を見つけ出す能力を促進する。



(先行研究↑を受けて)オンラインとオフラインの両方を測定

  →読み時間(実験1&2),発話思考法(実験3)を用いて,オンラインとオフラインで分析
  (読み時間は読み処理の労力を反映し,発話思考プロトコルは読み手の方略等のオンライン情報が反映されると考えられる)

  →単にオフライン処理の分析よりも,より正確な図の効果を調べることが可能



2つの対立仮説


①increased-effort 仮説
  →読み手はオンラインの処理により労力を割ける。
  →読み手の文章記憶は,処理の労力と関連 → 図は理解を促進する。
  →予測:図学習をすると読み時間が増加する。


②no-increased-effort 仮説
  →図はオンライン処理への労力が必要ではないのにもかかわらず,理解を促進する。
  →予測:図学習によっても読み時間が変わらない(or 減少する)




 ・読み処理と文章記憶のおける図の効果をより詳しく説明するために作成

  ①対応文
   →図に含まれるIUを含み,情報はそのIUに直接関連する。
  ②非対応文
   →図のIUと対応しない。

 ・図条件と非図条件の間で対応文への処理の違いがあるかどうかを調べる

 ・予測
   ①IF 対応文は(非対応文よりも)よりよく再生されるが付加的な労力が必要
   → 「increased-effort 仮説」を支持

   ②対応文はよりよく再生され,付加労力なし
   → 「no-increased-effort 仮説」を支持




Experiment 1


概要と目的

 ・incresed-effort仮説と no-incresed- effort 仮説を検証のために,図がどのようにオフライン処理と文章記憶に影響するかを調べた。

 ①説明文章の読みの前に,図学習(9ステップの因果連続の図)をした or しない
 →その後に自由再生
  ⇔Glenberg & Langston (1992) の方法:文章と図を同時呈示
 (同時呈示の場合,参加者が図を見ているか文章を読んでいるかの判断が不可能)



方法

■実験参加者と実験計画
 ・36人がランダム条件割り当て
    ①図条件(n=18):図を学習→文章読み
    ②非図条件(n=18):図学習なしで文章読み。



材料


■事前知識テスト
  →骨の発達と腎臓の機能に関する知識を評価する8つの「yes or no」question
  (例:「私は骨化作用を説明できる。」)
  →もし「yes」 → それについて説明する


■図 (Figure 1)
  →どのように,腎臓結石(kidney stones) が宇宙旅行の際に形成されるかについての,9ステップの因果関係を記したもの(Figure 1)


■文章
  ・McCrudden(2009) らが使用した文章(460語)を使用
  ・文章の因果ネットワーク分析を行った。
    →各文における先行詞(antecedent。)と結果のリンクの数を設定
    :図において,どの文がどのステップと強く関係し,どの文がそうではない?
  ・対応文と非対応文の定義 (下位分析のために作成)
対応文:それぞれが因果的に結びついており,図に表されるIUをもつ。9つ設定。文章中の重要な因果構造を反映していると考えられる。
      (例:文21(「もし腎臓が血液からより多くのカルシウムを濾過すれば,
       余分なカルシウムは,腎臓組織に蓄積される」と文22(「結果として,
       痛みのある腎臓結石の可能性は大きくなる」)
非対応文:因果的に結びついているが,図にはない。
(※例は省略。文10と文11)


■再生テスト
  ・さきほど読んだ文章を可能な限りたくさん書き出す
  ・「覚えている文章を全て書き出すことは,極めて重要である」と教示された



■手続き (計約45分)
事前知識質問紙
ランダム条件割り当て
タスクと概要の説明
→「コンピュータ上で文章を一文ずつ読む。」 「読み時間が計測される」
 「エンターキーで読み進められる」 「自身のペースで読むように」
   「理解するために文章を読む」 「学習後にテストがある」
   「何人かの人(図条件)は,別の材料を学習するので,他の参加者は静かに待機」
    → 非図条件は物理的に別の場所に
図条件:図学習 (4分) → 図の回収
非図条件:待機 (4分) 
文章読み      (全員読了後)挿入課題 (2分)
再生テストの教示→再生テスト  デブリーフィング → 解散 

■事前知識テストの得点化
 ・1点:質問に対して,「はい」→ その内容の正しい説明が可能
 ・0点:質問に対して,「いいえ」 or 内容説明が誤り
 ・合計得点の分布0~4(最大得点は8)

■読み時間のスクリーニング
 ・読み時間は,極端値を検出する分析の前に読み時間を計測。
  →理由:外れ値は,結果をゆがめる可能性がある
 ・群平均から4SDs離れた文の読み時間は除外
  →(※この説明は省略)

■再生テストの得点化
 ・対応文(9文)には,12個の意味のある部分(segment) があり,非対応文(1 0文)は,12個の部分を含む。各部分は,完全なIU or 命題で構成されている
 ・再生プロトコルの採点基準
  →各カテゴリーによって得点化された(対応文,非対応文,それぞれ12点満点)
    1点:パラフレーズ or もしくは文章通り
   0点:アイデア無し or 不正確 or あいまい
 ・コード化の妥当性の評定
  →1人目の評定者は,全ての再生プロトコルに得点し,2人目の評定者は,15このランダムに選ばれたプロトコルに得点した。
  →評点者の同意が決めるため,水準間の相関がとられた(Cicchetti, 1994)
  →評価者間の信頼性は高かったので(α = .90) ,1人目の評定社の得点を採用



結果と考察


・事前知識テスト
 →得点は全体的に低かった。
 →解釈:参加者は,骨の発達と腎臓に関する生理学に馴染みがない。
 →事前知識テストは下位分析において使用せず。


・図の呈示(図,非図) × 文章タイプ(対応,非対応)の混合計画において,文の読
 み時間(単位:ms)についてのANOVA。(Table 1 にデータ平均とSD)
  ■図の呈示に主効果があり(F(1,34)=4.07, p = .05)
  →解釈:図条件は,非図条件よりも,全体の読み時間は早かった。
  ■その他の効果に有意差なし。



・図の呈示(図,非図) × 文章タイプ(対応,非対応)の混合計画において,再生さ
 れた文ユニットの割合についてのANOVA。(Table 2 にデータ平均とSD)
  ■図の呈示,文タイプに主効果あり。
   →これらの主効果は,図呈示 ×文タイプの交互作用だとみなされた。
   →この交互作用の元を見つけるために,単純主効果の検定を行った。
   →再生の際の対応文における,図呈示の単純主効果が有意。 
   →解釈:図条件では,非図条件に比べ,より多くの対応文を再生した。


・実験1の結果は,no-increased-effort 仮説を支持
 →根拠:図条件は,(非図より)より多くの対応情報を再生したのにも関わらず,文章全体の読み時間は少なかった。
 →図呈示は,読み労力を増やさないことを示す。 (=no-increase-effort の予測)






Experiment 2


目的

・実験1の成績の向上:「単に反復したから」?
  →図条件は内容を2回見て,非図条件は1回のみ


・実験2では,内容の呈示対数を統制した上で no-increased-effort の検証
  →「非図条件」(実験1)を「再読条件(実験2)に変更
  (cf. 再読は,読み時間の減少させ,記憶を促進(例:Mullis & King, 2001))
  →but, 図呈示は「単純な内容の繰り返し」以上のものがある?そうであるかを検証



方法


■実験参加者と実験計画
 ランダム条件分け ①図条件(n=19) :読みの前に図学習
          ②非図条件( n =23) :文章を2回学習(without 図)


■材料 →実験1と同じ


■手続き
 ・実験1とほぼ同じ。
 ・唯一の違い:学習セッション間に2分間の挿入課題(数学問題)
  →つまり,①図条件 :図 → 挿入課題 → 文章読み
       ②再読条件:文章1回目読み → 挿入課題 → 2回目読み


■事前知識テストの得点化 → 実験1と同じ


■読み時間データのスクリーニング → 実験1と同じ


■自由再生テストの得点化 → 実験1と同じ




結果と考察


・事前知識テスト
 ■図条件と再読条件の間で有意差なし。
  各条件で,1人ずつしか1項目を正確に答えられなかった
  →事前知識は少ない
  →事前知識テスト得点は,下位分析で使われなかった。


・典型的な再読効果(読みの早さ:1回目>2回目)の検証
 →読み(一回目,二回目) × 文タイプ(対応,非対応)の被験者内計画で,文の読み時間についてのANOVA。
   ■読みに主効果 → 再読条件では2回目の方が早い(予想通り)
   ■その他の効果に有意差なし
 

・読み時間の比較(※内容の2度目の学習のデータ)
 →読み内容(図,再読)× 文タイプ(対応,非対応)の混合計画で,読み時間についてのANOVA 
   ■読み内容に主効果
    →再読条件は,図条件よりも,読み時間が早い
   ■その他の効果に有意差なし
 →考察:再読は,オンライン処理において図呈示とは異なった影響がある。



・読み時間の比較(※「図条件の読み時」⇔「再読条件の1回目読み」。実験1と同様)
 →読み内容(図,再読) × 文タイプ(対応,非対応)の混合計画で,読み時間(※ 
  第1セッションのデータ)についてのANOVA。(Table 3にデータ平均とSD)
   ■どの効果も有意差なし
  →図条件と再読条件の読み時間に読み時間の差はなし
  →有意差はなかったが,図条件の読み時間は再読条件よりもわずかに早かった
  →no-increased-effort 仮説を支持するの新たな材料
  


・再生成績における読解内容の結果
→読み内容(図,再読) × 文タイプ(対応,非対応)の混合計画で,再生された文  
  章のユニットの割合についてANOVA。(Table 2にデータ表示)
   ■読み内容の主効果に有意差なし。
   ■文タイプの主効果は有意
   →この主効果は,読み内容 × 文タイプの交互作用とみなされた。(。WHY?)
   →交互作用の元をみつけるために,単純主効果の検定
     ①対応文における読み内容の主効果が有意
      →解釈:図条件は,対応文をより多く再生。
     ②非対応文における読み内容の主効果が有意
      →解釈:再読条件は,非対応文をより多く再生。



・「図の呈示は,単純な繰り返しよりも理解を促進」を示唆
  →根拠:①再読条件は非対応文をより多く再生し,②図条件は対応文をより再生
  ↑考察:図の因果的性質は,書かれてあるイベントのメンタルモデルの構築を促進する能力をもたらし(to afford),対応文の理解を補助する
 



Experiment 3



概要と目的


・目的
  →図の呈示がどのように因果推論に影響するかを調べる
  →理由:本研究で用いた図は,文章内の要素間の暗黙の因果関係を示している。
・発話思考プロトコル(Think-aloud protocols)の利用
  →■読み手にとって意識的に利用可能
   ■コード化が可能
   ■説明処理(explanatory process)(例:因果橋渡し推論)を記録できる
   ■but, 自動処理(例:読みの際の知識の活性化)は記録しにくい



方法


■実験参加者と実験計画
 →図条件(n=15) :図学習→読み
  非図条件(n=15):読みのみ

■材料 → 実験1,2と同じ

■手続き

事前知識テスト
2条件の1つにランダム割り当て
タスクと手順の概要を説明
教示:
  あなたは,高校の教科書の文章を読みます。われわれは,生徒がどのように文章か
 ら学習するのかに関心があります。教室で,教材を学習しているかのようにその文章
 を読んでください。文章からどのように学習するのかを理解するため,読みの際に考
 えを話していただきます。文章を読んでいるときに,考えていることを全て声に出し
 てください。あなたは,インデックスカードから文章を読みます。各カードに1つの
 文が現れます。インデックスをひっくり返し次の文に進むまえに,各文について思う 
 ことを声に出してください。本番前に,短い文章で練習する機会があります。
④実験とは無関係のトピックについての11文の文章で,思考発話プロトコルの練習
⑤質疑応答
⑥教示:
 テープレコーダーに異変がないかを見るために,私はここにいます。しかし,読み 
 に関する質問に答えたり,あなたを助けることは出来ません。「このタスクに取り組
 んでいる際,考えを全てを言うことが重要であること」を覚えておいてください。
⑦図条件の参加者のみ:文章を読む前に,図学習(学習時間は任意。平均1分35秒))
 →図学習の際,考えていることを声に出すよう教示され,コメントは録音された。
  目的:「図中のイベント間の因果的関係を声にだしているか」を確かめるため
  (※図は,文章を読む時に参照不可)
⑧文章読み
⑨挿入課題(2分)
⑩再生テスト (※図も文章も参照不可)
⑪デブリーフィング → 解散  (計約45分)


■事前知識テストの得点化 → 実験1,2と同じ


■発話思考プロトコルの得点化
・コメントの処理手順
書きおこし → 節ごとに解析
コード化基準(先行研究にて作成されたもの)を用いて分類
→コード化基準:5つの方略タイプ (※各タイプの例は省略) 
   ①因果橋渡し推論 → 焦点文を先行文に因果的に結合させる説明
   ②精緻化 → 知識に基づいた焦点文の推論
   ③予想 → 焦点文から予期される結果についての推論
   ④再言 → 焦点文のそのまま繰り返し or 言い換え
   ⑤モニタリング・コメント → 焦点文の理解について考える反応

・コード化の信頼性の検証
 →1人目の評定者は,全ての思考発話プロトコルを得点し,2人目の評価者が,15
   個のランダムに選んだプロトコルを得点した。
 →水準間の相関を計算し,評定者間の同意を測定
 →信頼性は,容認可能レベル → 1人目の評定者の得点を採用。


■自由再生テストの得点化 → 実験1,2と同じ。




結果と考察


・事前知識テスト
 →■図条件と非図条件の間に,有意差はなし。
  ■参加者の事前知識は低い → 事前知識テスト得点は使用せず。
 

・図条件が生成した推論タイプ(i.e., 因果橋渡し,精緻化,予測)の比較
 →■予想:図は因果関係を示す →精緻化や予想よりも,より多くの因果橋渡し推論
  ■両側検定のt検定
    →図条件は精緻化や予想よりも,頻繁に因果橋渡し推論をしていた(予想通り)



・読解中の図呈示時の,異なった方略の頻度(Table 4に,データ平均とSD)
 →but, 研究の関心:図呈示と,文タイプごとの因果橋渡し推論の頻度
 →図呈示(図,非図) × 文タイプ(対応,非対応)の混合計画で,因果橋渡し推論の平均頻度について ANOVA。
   →■文タイプで主効果あり
     →対応文の方が,非対応文よりも多くの因果橋渡し推論を行っていた。
    ■図呈示 & 交互作用に有意差なし


・図呈示(図,非図)× 文章タイプ(対応,非対応)の混合計画において,再生成績に
 ついてのANOVA。(Table 2 にデータ平均とSD)
  →■図呈示と文タイプでの主効果は有意
    →図呈示 × 文タイプの交互作用とみなされた。 → 単純主効果の検定
    →対応文についての,図呈示の単純主効果は有意
    →解釈:図条件において,対応文をより多く再生
   ■非対応文について,図呈示の単純主効果は有意でない。
     (↑の結果は,実験1,2と一貫)


・考察
 →発話思考データと再生データは,no-increased-effort 仮説を支持
  ↑根拠:①図条件においてより多くの対応情報を再生し
      ②両条件において,推論に違いはなし (。←Based on t検定の結果??)
    → 図呈示は,処理労力を増やさない



General Discussion


目的,結果のまとめ


・目的と結論
 →本研究の目的:「読み手のオンライン処理とオフラインの読みについての,付加的ディスプレイの影響を調べる」
 →図学習により,読みの処理労力を増やすことなく記憶・理解は促進された。


・実験1
  →文章を1度読んだだけの参加者と,図学習をした参加者の読み時間と再生を測定
  →結果:図学習条件は,読みの処理労力を増やすことなく,図の対応文を多く再生


・実験2 (実験1と一貫した結果)
  →読みの前に図学習をした参加者と,再読した参加者の読み時間と再生結果を測定
  →結果:①図条件は,読み容量を増やすことなく,多くの対応文を再生した。
      ②再読条件は,より多くの非対応文を再生


・実験3
  →発話思考法を用いて,読みの前に図学習した条件と,文章のみを読んだ条件別の橋渡し推論と再生を比較
  →図学習で,労力増やすことなく,図の対応情報の再生は高くなった。(no-increased-effort を支持)



読み時間と発話思考データで,付随する(concomitant) 効果がなかった?(。??)


 →理由:①読み時間とプロトコルデータは図の促進効果に敏感ではない
     ②図はオフラインのタスク(例:再生)にのみ影響を与える
     ③文章のみの形式は,処理のレベルを弱める。


Glenberg & Langston (1992) との相違点と,結果の一貫性

 →図と文章の同時呈示ではなく,図を学習してから読む

 →図の情報への処理が少なくなった。

 →しかし,Glenberg らと同様の結果が出た

 →「図は労力を増やすことなく理解を促進する」ことのの新たな根拠



「図学習は,因果的連続ではないところの情報よりも,因果連続へと注意を集中する?


 →but,3実験のすべてで,オンライン処理のデータはこの主張とは異なる。

 →根拠:①図条件の読み手は,(非図と比べて),文章の処理時間は変わらなかった。
     ②図条件は,対応文と非対応文の読み時間に差はなかった。

 ↑についての理にかなった説明:
  「図の状況モデルを構築するとき,文章の部分は情報と因果関係を具体化する。それにより,これらのアイデアの記憶が促進される(Glenberg & Langston, 1992)



今後の課題


 ・図と文章を同時処理の測定?
   →アイトラッキング手法etc.を用いる?

 ・他の付加的ディスプレイ,支援方法では?
   →「異なる付加的ディスプレイ(例:リスト,写真的図)or 他の付加的支援(i.e.,読み前教示,プレビュー要約)ではどうか?


 ・文章と図の関係性が異なったものではどうか?
    (cf. 本研究で用いた図→相補的なもの)


 ・「異なる方略を喚起するような種類の文章と図」ではどうか?
    (本研究→1つの図と文章のみを使用)


 ・深いレベルの処理には,より効果があるのか?
    (本研究→1つの因果連続に関する図を使用。深い理解は測定できていない?)


 ・学習者と図との交互作用の理解と学習に対する影響は?
 (学習者に図を完成させる課題をする?






執筆後記


すっかり忘れてますなぁ。
まぁ、じっくり読んだ時に、大枠を思い出せるくらいでええやろな。

一応、今月もJournal Club の更新に成功。
来月もなんか書く。



140430


機械とか 使えば「高度」 それ違う


明日はまた新しい場所にいくかも。
新しいことだらけというのは楽しいものどす。
Better & Better

Read more...

(JC①)中2の理科の成績についてのマインドマップの効果

14/03/29

Abi-el-mona, I. (2006). The Influence of Mind Mapping on Eighth Graders’ Science Achievement. School Science and Mathematics, 108, 298-312.





Abstract


・目的:①学習ツールとしてのマインドマップの影響は?
    ②その影響は,事前の学力テストによって異なるか?
    ③生徒のマインドマップと概念的理解との関係は?

・対象:中2 ( grade 8) ,62人,理科の学習

・実験群:マインドマップ作成のトレーニング
 統制群:要約メモのトレーニング

・方法:多肢選択テストで,2つの学力カテゴリと3つの学力レベルにおけるマインドマップ使用の効果を 調べる

・結果:①実験群(マインドマップ群)で,有意に高い成績
    ②効果と,事前の学力テストとは関連しない。
    ③アイコン(よく理論的に重要だとされる)は,重要ではない
    ④概念的理解において,高い学力レベルをあげた生徒のマップの特徴:
      ・中心テーマとメジャー概念,マイナー概念との間に正確なリンク
      ・概念を表すのに,色を用いる。
  

序論・目的


意味学習とマインドマップ


・意味学習で重要なこと(Ausubel, 1968)
  →新しい概念を,学習者の枠組みの中の関連概念と結合すること。

・マインドマップ:線状ではなく全体的に(holistic),概念的結合を促し,関係性,経験などを,意味学習の土台とすることを促す。
   →マインドマップは,概念的理解において,便利なツールとなりうる可能性 



マインドマップの特徴
 


・作成者が,知識の表象をつくっていく
   =知識構造と理解の表象の押しつけ(imposing) をしない。(⇔ 視覚的ツールそれ事態により強いられる構造)


・個人化するために,アイコンやカラーが用いられる。



マインドマップの効果を支持する(と思われる)研究など

・個人化された知覚は,情報の保持・整理などに重要な役割(Ornstein, 1991)

・多重知能理論 (Garder, 1993)
  →視覚的知能と,概念的知能の結合(link)を促進

・統合的学習の概念(notion of intergrative learning)(Rega, 1993)
   →(概念の結合は)情報の吸収と長期保持にやくだつ
   → But, その有望性と可能性にもかかわらず,マインドマップ使用に関する研究はあまりなされていない。(⇔ コンセプトマップ,vee maps,フローマップ使用の研究などはなされている)
   → そこで,本研究は,中学理科における,マインドマップの効果を調べる。




Background and Review of the Literature

視覚的ツールとの関連
 

(以下,他のマッピングツールの説明。※具体例なし)

・視覚的ツールのHyerle (1996)による3つの分類
(A)ブレインストーミング (マインドマップ,クラスタリング(clustering) ,
(B)タスク特定オーガナイザー (life cycles, 文章構造(text structures),  フローマップ(flow maps) ,ディシジョンツリー(decision trees)
(C)思考処理マップ(thinking process maps) (シンキングマップ,Vee Maps など)



コンセプトマップ (concept maps)

・Ausbel (1968) の学習理論に由来する。
   → 既存知識と意味学習の促進の重要性に強調。学習の多くは,新しい知識と既存の概念構造とを結びつけるときに発生する。

 
・コンセプトマップの効果に関する研究など
   ①統合的学習 の促進(eg., Westrook, 1998)
   ②意味学習の促進(eg. Heinze-Fry & Novak, 1990)
   ③文章理解の向上(e.g., Slotte & Lonka, 1999)
   ④概念間の階層的関係の構築(Horton et al., 1993)
   →これらにおいて理科の成績を向上させる傾向がある
   →しかし,効果が見られなかった研究もあり(e.g., Kehman, Carter, & Kahle, 1985)



ヴィーマップ(vee maps)
 

・Gowin の知識構造への関心( Gowin, 1979) に由来する。

・目的:科学に基づいた活動の,概念的側面と手続き的側面との関係を明らかに

・ヴィーマップを作る際,学習者はリサーチ・クエスチョン,イベント,調査中の対象に対して、明確に考える(Novak, 1990)

・思考パターンを整理して,理科の学習プロセスについて考える手助けとなる(Roth & Roychoudhury, 1992)

・手続きを理解し,慣れるためには,多くの時間を費やす必要がある。(Novak et al. (1983)
 


フローマップ(Flow maps)


・あるトピックや領域を解釈するときの,学習者の組織的構造を反映する階層的に整理された図である。

・コンセプトマップとは異なり,フローマップは,描かれた概念間の語やフレーズにリンクはない(Anderson & Demetrius, 1993) 。

・フローマップの相互連結性(interconnectedness) は,①中学生の生物の情報の再生と相関があり,(Demetrius, 1998) ,②実験の成績を向上させた(Anderson, Randle, & Covotsos, 2001) 。

・フローマップの行数(lincage )と,中2の理科成績と相関あり(Tsai,1998)



マインドマップ (Mind Maps)

・視覚的イメージを強調

・情報の保持において視覚イメージが重要
   → 2560枚の写真を見せてから行った再認課題(Haber, 1970)
   → 正答率は,平均90%であった。
   → ターゲット情報が視覚化されていると,保持能力が飛躍的に上昇

・Buzan (1976) は,ノートを「出来るだけ簡単に,見て楽しく」というアイデアに基づいて,視覚的効果を利用したマインドマップを考案した。


マインドマップの効果に関する意見等


 ・学習スキル,情報の再生の促進(Ornstein, 1986)

 ・アウトラインやフローチャートよりも簡単に,関係性がわかり表現することができる(Buzan and Buzan, 1993)

 ・アイデア間の関係性を素早く作り,全体像と部分との関係について,よりよく理解するための情報,概念,リンクを付け加えることができる。Regina (1993)

 ・さまざまな認知機能や処理が積極的に関わり,学習効果を向上させる。(e.g. Russell, 1979)



学習者が構造をつくり,個人化する性質


・「学習におけるメタ認知的ツールの教示による効果は,たびたび生徒の学力レベルによって異なる (Gage & Berliner, 1998)

   → 一般的に,学力が平均的な人は,高学力の人・低学力の人に比べ,メタ認知的ツールの効果が高い
   → ↑の理由考察:
      ①高学力の人は,既に独自の効果的方略を持っている。
      ②低学力の人は,モチベーションが低い or ツールを効果的に用いるために必要な能力が欠落している。
   → ↑のような効果の違いは,視覚的ツール(例:コンセプトマップ)においても適応出来る(e.g. Stoyanova & Kommers, 2001
   → ↑の考察:構造的制約があるから?(例:コンセプトマップ→階層構造)


・より個人化されうるマインドマップ
   マインドマップは,より高度に個人化され,構造的制約が少ない
   → 「生徒の学力レベルとは関係がなく,学習を促進させる」という仮説が立てられる。本研究では,この仮説を検証する。




リサーチ・クエスチョン

(1)中2の理科の成績においてマインドマップの効果は?

(2)マインドマップの効果は,生徒の事前知識と相互作用があるのか?

(3)参加者のマインドマップの要素(配置,中心テーマ,メジャー概念/リンク,マイナー概念/リンク)と理科の成績の向上の間の関係とは何か?





Method



実験計画

・2 × 3のポストテストのみの計画
 (2=マインドマップ使用,不使用。3=事前の学力テスト成績:高,中,低)

・従属変数:介入後の生徒の成績

・ターゲットのクラスの4つを,ランダムで2つを実験群,2つを統制群に分ける。

・データ収集の一ヶ月前に,マインドマップ(実験群)とメモ要約(統制群)の体系的トレーニングを受けた。(マインドマップの体系的な描き方は,Buzan(1976) を参考)
 → 研究者が作成した多肢選択テストを用いて,介入後の理科の成績を比較。



初期マインドマップ(early mind map) と後期マインドマップ(exit mind map)

・実験群の2つのマインドマップ (研究の初期に作られたもの(early mind map)と,後期のもの(exit mind map)が収集され,体系的に分析,比較された。

・後期マップは,学力テスト別にされた後も比較された。



Participants


・62人の生徒(13~14歳。実験群と統制群にランダムに振り分け(各31名)

Intervention

・介入における教示的一貫性を保証するために,研究をおこなった期間の中で,詳細なレッスン計画を準備して行った。

・計画は,各教示の週の始めに,他の研究者によって精査(review)された。



Mind mapping instruction


・Buzan and Buzan (1993) and Margulies (1995) から採択したテクニックを用いて,1ヶ月間,授業の一環としてマインドマップ教示をうけた。

・おおまかな手順
  ①教科書から,重要語(or 概念)のリストを作る
  ②研究者(=教師)が,マインドマップとその作成手続きを紹介
  ③色付きクレヨンを配布し,マインドマップ作成を教示
  ④マップをクラス内で共有
  ⑤ 以降4週間にわたって,授業の最後の10分間はマインドマップ作成する

・どの概念,アイデア,情報を用いるかは,生徒次第



note summarization instruction


・統制群の生徒は,ノートをまとめる特別な手順が与えられた。

・授業の最後に,独自のメモ要約を作成

・目的:実験群のマインドマップを作成に対してしてターゲットの理科概念にかける時間を,カウンターバランスするため。



independent variable


・「マインドマップ作成」(or 不作成)が独立変数

・それぞれのマップの6つの要素 

(a)中心テーマ:ターゲットの理科の内容にある主要な概念やトピック。1つ or 少数の語で表され,多くの場合マップの中心に配置される
(b) メジャー概念:中心テーマに最も関連しており,1つ or 少数の語によって表される

(c)マイナー概念:メジャー概念に続くアイデアであり,暗に(implicitily) 中心テーマと関連がある。たびたび,フレーズで表される。

(d)リンク:メジャー概念,マイナー概念,中心テーマ間の方向やリンクを示す構造(例:線 or 矢印)

(e)アイコン or デザイン:あるアイデアを示すシンボル,絵,いたずら書き(doodle),模様,幾何学的図形。

(f)記号(legend) :マップ状のなにかのアイコンやデザインを示すもの



dependent variable


・NAEP(National Assessment of Educationl Process。1999年)基準で,生徒の学力レベルを測定した。

・2つのカテゴリ(①概念的理解,②実践的推論)と3つの水準(basic, proficient, advanced)における,NAEPの「理科を知っており,行っている」知識の領域をターゲットとしている。

・2つのカテゴリ
   ①概念的理解:「理科の調査のプロセスに使用されるツールに関連する基本的な概念を理解する能力」
   ②実践的推論:「理科の知識,技能,性質を応用することによって,日常の問題への効果的な解決策を与えること」

・3つの学力レベル
   ①basic: 必要な知識の部分的な熟達。基本的な技能。
   ②proficient : しっかりとした学業成績(問題に取り組む能力,知識,応用など)
   ③advanced : ↑のproficient よりもさらに好成績。



moderator variables (調整変数)


・PSA (Prior Scholastic Achivemen。事前の学業成績)が調整変数となる。

・PSAの3つのレベル(高・中・低 を決定するために,学力テスト成績が用いられた。
   ■高成績者(どちらの群も n = 19):全体の成績の85%以上
   ■中成績者(どちらの群も n = 31): 75〜84 %
   ■低成績者(どちらの群も n = 11): 74%以下であった。



Control variables


・教師,教育方法,理科の内容(content),クラス環境,タスクにかける時間を統制した
   → 「授業の最後の10分を,マインドマップor メモ要約作成にあてること」以外は,普段通りの授業を行った。



Instrument


・教示後の生徒の成績は,研究者によって作成されたテストを用いて測定された。

・テストは,2つのカテゴリ(概念的知識,実践的推論)と3つのレベル(basic, proficient, advanced)における,(NAEP (1999) の「理科を知っており,行っている」領域をターゲットとした30項目の多項目選択からなる。

・Table 1 :ターゲットのテスト項目の数とパーセンテージの,各カテゴリとレベルの割り当て。

・4人の理科教師が,テスト内容の妥当性を評価 → 修正 → 最終版に





Data Analysis



テスト成績の分析


 ■テスト項目への正確な解答は,「1」,不正確なものは「0」
    (テスト得点は,0〜30点)
 ■テスト平均得点の比較のため,2つのMANOVA を行う。
    (独立変数:マインドマップ(使用 VS 不使用),調整変数:PSA(高・中・低)

   分析①従属変数:3つの水準(basic, proficient, advanced)

   分析②従属変数: 学力のカテゴリ(概念的理解,実践的推論)

   → 統計的に有意だった場合,次に単変量解析を行う。




マインドマップの分析


■コード化基準( coding schema) を作成した。

(1) マップの配置:線形と比較して,マインドマップはどのようにウェブ状となっているか。記号が用いられているか。異なるアイコンが使用された数

(2) 中心テーマ:マインドマップにおいて,テーマが実際に概念・アイデアの中心となっているか。セントラルテーマはアイコンで表されているか。

(3) メジャー概念へのリンク(or アイデア);メジャー概念が,概念的に中心テーマと関係があるか。リンク数は,「生徒が,重要なリンクを見逃したこと」を示すことと比較して,十分であるか。メジャー概念が,アイコン,シンボル,カラーで表されているか。

(4) マイナー概念へのリンク(or アイデア):マイナー概念が,概念的にメジャー概念(or アイデア)と関連があるか。マイナー概念へのリンクの数は,各メジャー概念へと向けられるリンクの平均的な数によって決定されるマイナー概念へのリンクの数。マイナー概念が,アイコン,シンボル,カラーなどによって表されているか。


コード化スキーマの妥当性の検証


・コード化基準作成者(中学校の化学教師)をトレーニングした。
   → 検証の結果,高レベルの同意となった。(。詳細は省略)



後期マインドマップを3つの下位グループへ分類


・目的:マインドマップの異なる要素と成績の向上の関係について調べるため

・「概念的理解」カテゴリ(17項目/全30項目)のテスト成績に基づいて作成
①GCU (Good Conceptual Understanding) : 85%以上の成績,N=9)
②MCU(Moderate – – ) : 71 〜 84%の成績,N=12)
③PCU(Poor – – )   : 70%以下




Result




理科成績におけるマインドマップの影響

・Table 2 は,それぞれのカテゴリーと学力レベル別のテスト得点,平均値を示す(※パーセンテージ表示に変換されている)

・従属変数:学力カテゴリ,についての分析結果(Table 3)
 (独立変数:T(Treatment。マインドマップ使用 VS 不使用),
調整変数:PSA(高・中・低))
   → 有意差あり:T (p<.001),PSA (p < .05)
    有意差なし:TとPSAの交互作用
   → 続くANOVA の分析で,「マインドマップ群は,2つのカテゴリの両方において,有意に得点が高い」ことが明らかに

・従属変数:学力レベル,についての分析結果 (Table 4)
   → 有意差あり:T( p < .0001)
     有意差なし:PSA,TとPSAの交互作用
   → 事前の学業成績とは関係がなく,マインドマップ群は得点が高い



参加者のマインドマップの性質,概念理解においての効果の関係

・マインドマップのイラスト例 (Figure 1)

・実験群の初期マップと後期マップは,配置,中心テーマ,メジャー概念とマイナー概念へのリンクという観点で分析・比較された。

・実験群の3つの下位グループ( GCU, MCU, PCU)別にマインドマップの要素を調べた



マインドマップの配置

・全ての生徒のマップは,ウェブ状(網状。Web)の形をしていた.
   →ターゲット内容のアイデアを表すのに,簡単or 便利であった?

・マップの主な違いは,記号の使い方
   → 初期マップでが記号使用は少ない(⇔後期マップではより多くの記号を使用)

・アイコンの使用は減少 
   ■全体的にアイコンを使用した生徒は少なかった。
   ■アイコンを使用した生徒(20%)は,初期マップでは,平均4つのアイコンを用いていた。しかし,後期マップでは平均2つの減少
   ■アイコンは,生徒にとってあまり便利ではない?
    → 理由の考察①:アイコンの作成には創造的能力が必要
           ②:学習にあたり,アイコン作成の時間と努力は割に会わない

・GCU,MCU,PCUの生徒のマップの配置に,違いはなかった。



中心テーマ

・中心テーマが授業で教師が示したもの(授業で一度呈示)と似ているかを分析
   →もし違っていれば,違いは①単なる言葉づかいか,②概念的な違いか?を分析
   →結果:初期マップでは 62.5%が教師と同じ中心テーマを作成
       ⇔後期では,37.5 % に落ちる。
   →考察:マップの経験を積むにつれて,より個人化された表現をするようになる

・ほとんど全ての中心テーマは,アイコンではなく,語で表されていた。
  GCU群の全ての生徒(=100%)は,教師が示したものと,言葉づかいは異なるが概念的には 同じマップを用いていた。(⇔MCU,PCU群:80%)

  


メジャー概念(Major concept)とのリンク


・メジャー概念へのリンク(from 中心テーマ)の分析(Table 5)
結果の特徴:

(a) 中心テーマからメジャー概念へのリンクの数
    → 4〜6このリンクをもつものは後期マップで増加

(b) 科学的に正確なリンクの数
    → GCU群の全員は,科学的に正確なリンクを作成していた

(c) メジャー概念が,アイコンによって表されているかどうか
    → ほとんどのアイコンは用いられていない。

(d) メジャー概念に,色づけされているかどうか
    → GCU群は,色づけした人が多い(80%)



マイナー概念(minor concepts) へのリンク


・マイナー概念へのリンクの分析 (Table 6)
結果の特徴:

(a)メジャー概念からマイナー概念への平均リンク数
    →①3〜4つのリンクをもつマップは二倍以上に
     ②PCU群の6つ以上のリンクをもつマップ → ほとんど不正確

(b)マイナー概念がアイコンで表されているかどうか
    → アイコン使用は減少

(c)マイナー概念がカラーで表されているかどうか
   → カラー使用は全体的に減少。しかし,PCU群のカラー使用は多かった
 




Discussion and Conclusion




マインドマップのポジティブな効果

・マインドマップ不使用の生徒に比べて,実験群の生徒は,全てのターゲットカテゴリ(概念的理解,実践的推論)と学力レベル(初歩,上達,高等)において,統計的に有意な効果があった。

・マインドマップ群は,介入後の学力テストの概念的理解と実践的推論において統制群よりも平均して15%高い得点(←実践的にも有意義!)
   → PSA別の成績の向上:①basic → 11%↑
              ②proficient → 9%↑ (最小の効果)
              ③advanced → 32%↑(最大の効果) 



マインドマップの効果は,事前の学力成績とは無関係


・根拠:マインドマップ使用とPSAの交互作用は,2つのカテゴリの両方で統計的に有意ではなかった

・メタ認知的方略や他の視覚的ツール(コンセプトマップなど)の結果との違い
   → 他の研究では,「高学力や低学力の人よりも,平均的な学力の人の方が効果が高い」という結果となった。
   → 考察:マインドマップは生徒によって,構造化され,より個人的だから?



マインドマップ使用で,より「個人化」

マップの観察から見られる変化:

① マインドマップの練習の後,実験群の多くは,中心テーマを個人化した。

② ターゲットの概念の理解や再生を向上させるために,概念のラベルを簡潔な説明 or 概念へと置き換えていたことが,たびたび見られた。

③ マインドマップ練習授業の際,特に協調された点はなかったのにも関わらず,生徒はアイコンをあまり使わなくなり,カラー,etc.を用いるようになった。
   →知識構造を表す必要性に応じて,マップの要素をよりカスタマイズしていた。



アイコンは重要ではない?

・「アイコンは,マインドマップで中心的な役割」と仮定される(Buzan, 1974)
   →しかし,その仮定とは相反する結果に:
    ①本研究では,アイコンを用いたのは少数であった。
    ② アイコンの使用と概念的理解の成績には関連がなかった。

・アイコンがあまり用いられなかった結果への考察:
①アイコンと,その使用の導入トレーニングが効果的ではなかった。
②アイデアや理解の表現に,語の方が簡単であった。
③アイコンは,マインドマップにおいて重要ではない。
   → これらを確かめるための,さらなる研究が必要であろう。
  


カラーはマインドマップで重要な要素


・研究全体を通して,大多数の参加者(60%以上)は,全てのメジャー概念とマイナー概念を表すのに,カラーを用いた。

・GCU群(概念的理解が高い)は,その他の群に比べ,カラーを多く用いていた。



ウェブ状の表現は重要な要素

・全研究を通して,全ての参加者は,ウェブ状のマインドマップを作成した。

・厳格な構造をもつものや,階層的なもの(cf. コンセプトマップ,フローマップetc.)をもつマップを描く人はいなかった。
   → 主張できること:
     ×「階層的 or 厳格な方法で,理科の内容を考えなければならないことに効果がない」
     ♡「構造化された視覚的ツールは効果がある」
   → しかし,「マインドマップでは,より柔軟で個性的な知識構造を構築がなされる」という可能性がある。
   → この柔軟性が,「生徒の事前の学力レベルとは関係なく,学習効果がある」という結果と関連するのかもしれない



・本研究の結果は,仮定的なものにすぎない
   マインドマップが,他の構造的視覚的ツールと比べて優れているかどうか等は,同一群の参加者の比較を用いて,行う必要がある。
   より多くの内容や学習範囲において,今後検証されていくべき。




執筆後記


ふぅ。ゼミでやったやつをそのまま貼り付けただけで、
体裁をワードから、HTML形式に置き換えただけだが、中々の分量で少し疲れた。

もちょい、ポイントを絞るべきだよなぁ。
まぁでも、既にやったやつは「そのまんま」の方式で行こうかな。



140329


アイコンの 利用は理解と 関係ない?


初めての一人、自己満ジャーナルクラブ。
ことはじめの今月は、月1のノルマ、滑り込みセーフ。
Better & Better.




危機の構造―日本社会崩壊のモデル (中公文庫)
危機の構造―日本社会崩壊のモデル (中公文庫)

科学的推論の特色は、全体的パースペクティブのもとにおける諸要因間の複雑な相互作用を考慮に入れ、体系的分析によって常識では知られないような情報を提供するにある。「予期せざる結果」の説明、これこそ科学的推論のメリットでなければならない。
76


Read more...