(JC①)中2の理科の成績についてのマインドマップの効果

14/03/29

Abi-el-mona, I. (2006). The Influence of Mind Mapping on Eighth Graders’ Science Achievement. School Science and Mathematics, 108, 298-312.





Abstract


・目的:①学習ツールとしてのマインドマップの影響は?
    ②その影響は,事前の学力テストによって異なるか?
    ③生徒のマインドマップと概念的理解との関係は?

・対象:中2 ( grade 8) ,62人,理科の学習

・実験群:マインドマップ作成のトレーニング
 統制群:要約メモのトレーニング

・方法:多肢選択テストで,2つの学力カテゴリと3つの学力レベルにおけるマインドマップ使用の効果を 調べる

・結果:①実験群(マインドマップ群)で,有意に高い成績
    ②効果と,事前の学力テストとは関連しない。
    ③アイコン(よく理論的に重要だとされる)は,重要ではない
    ④概念的理解において,高い学力レベルをあげた生徒のマップの特徴:
      ・中心テーマとメジャー概念,マイナー概念との間に正確なリンク
      ・概念を表すのに,色を用いる。
  

序論・目的


意味学習とマインドマップ


・意味学習で重要なこと(Ausubel, 1968)
  →新しい概念を,学習者の枠組みの中の関連概念と結合すること。

・マインドマップ:線状ではなく全体的に(holistic),概念的結合を促し,関係性,経験などを,意味学習の土台とすることを促す。
   →マインドマップは,概念的理解において,便利なツールとなりうる可能性 



マインドマップの特徴
 


・作成者が,知識の表象をつくっていく
   =知識構造と理解の表象の押しつけ(imposing) をしない。(⇔ 視覚的ツールそれ事態により強いられる構造)


・個人化するために,アイコンやカラーが用いられる。



マインドマップの効果を支持する(と思われる)研究など

・個人化された知覚は,情報の保持・整理などに重要な役割(Ornstein, 1991)

・多重知能理論 (Garder, 1993)
  →視覚的知能と,概念的知能の結合(link)を促進

・統合的学習の概念(notion of intergrative learning)(Rega, 1993)
   →(概念の結合は)情報の吸収と長期保持にやくだつ
   → But, その有望性と可能性にもかかわらず,マインドマップ使用に関する研究はあまりなされていない。(⇔ コンセプトマップ,vee maps,フローマップ使用の研究などはなされている)
   → そこで,本研究は,中学理科における,マインドマップの効果を調べる。




Background and Review of the Literature

視覚的ツールとの関連
 

(以下,他のマッピングツールの説明。※具体例なし)

・視覚的ツールのHyerle (1996)による3つの分類
(A)ブレインストーミング (マインドマップ,クラスタリング(clustering) ,
(B)タスク特定オーガナイザー (life cycles, 文章構造(text structures),  フローマップ(flow maps) ,ディシジョンツリー(decision trees)
(C)思考処理マップ(thinking process maps) (シンキングマップ,Vee Maps など)



コンセプトマップ (concept maps)

・Ausbel (1968) の学習理論に由来する。
   → 既存知識と意味学習の促進の重要性に強調。学習の多くは,新しい知識と既存の概念構造とを結びつけるときに発生する。

 
・コンセプトマップの効果に関する研究など
   ①統合的学習 の促進(eg., Westrook, 1998)
   ②意味学習の促進(eg. Heinze-Fry & Novak, 1990)
   ③文章理解の向上(e.g., Slotte & Lonka, 1999)
   ④概念間の階層的関係の構築(Horton et al., 1993)
   →これらにおいて理科の成績を向上させる傾向がある
   →しかし,効果が見られなかった研究もあり(e.g., Kehman, Carter, & Kahle, 1985)



ヴィーマップ(vee maps)
 

・Gowin の知識構造への関心( Gowin, 1979) に由来する。

・目的:科学に基づいた活動の,概念的側面と手続き的側面との関係を明らかに

・ヴィーマップを作る際,学習者はリサーチ・クエスチョン,イベント,調査中の対象に対して、明確に考える(Novak, 1990)

・思考パターンを整理して,理科の学習プロセスについて考える手助けとなる(Roth & Roychoudhury, 1992)

・手続きを理解し,慣れるためには,多くの時間を費やす必要がある。(Novak et al. (1983)
 


フローマップ(Flow maps)


・あるトピックや領域を解釈するときの,学習者の組織的構造を反映する階層的に整理された図である。

・コンセプトマップとは異なり,フローマップは,描かれた概念間の語やフレーズにリンクはない(Anderson & Demetrius, 1993) 。

・フローマップの相互連結性(interconnectedness) は,①中学生の生物の情報の再生と相関があり,(Demetrius, 1998) ,②実験の成績を向上させた(Anderson, Randle, & Covotsos, 2001) 。

・フローマップの行数(lincage )と,中2の理科成績と相関あり(Tsai,1998)



マインドマップ (Mind Maps)

・視覚的イメージを強調

・情報の保持において視覚イメージが重要
   → 2560枚の写真を見せてから行った再認課題(Haber, 1970)
   → 正答率は,平均90%であった。
   → ターゲット情報が視覚化されていると,保持能力が飛躍的に上昇

・Buzan (1976) は,ノートを「出来るだけ簡単に,見て楽しく」というアイデアに基づいて,視覚的効果を利用したマインドマップを考案した。


マインドマップの効果に関する意見等


 ・学習スキル,情報の再生の促進(Ornstein, 1986)

 ・アウトラインやフローチャートよりも簡単に,関係性がわかり表現することができる(Buzan and Buzan, 1993)

 ・アイデア間の関係性を素早く作り,全体像と部分との関係について,よりよく理解するための情報,概念,リンクを付け加えることができる。Regina (1993)

 ・さまざまな認知機能や処理が積極的に関わり,学習効果を向上させる。(e.g. Russell, 1979)



学習者が構造をつくり,個人化する性質


・「学習におけるメタ認知的ツールの教示による効果は,たびたび生徒の学力レベルによって異なる (Gage & Berliner, 1998)

   → 一般的に,学力が平均的な人は,高学力の人・低学力の人に比べ,メタ認知的ツールの効果が高い
   → ↑の理由考察:
      ①高学力の人は,既に独自の効果的方略を持っている。
      ②低学力の人は,モチベーションが低い or ツールを効果的に用いるために必要な能力が欠落している。
   → ↑のような効果の違いは,視覚的ツール(例:コンセプトマップ)においても適応出来る(e.g. Stoyanova & Kommers, 2001
   → ↑の考察:構造的制約があるから?(例:コンセプトマップ→階層構造)


・より個人化されうるマインドマップ
   マインドマップは,より高度に個人化され,構造的制約が少ない
   → 「生徒の学力レベルとは関係がなく,学習を促進させる」という仮説が立てられる。本研究では,この仮説を検証する。




リサーチ・クエスチョン

(1)中2の理科の成績においてマインドマップの効果は?

(2)マインドマップの効果は,生徒の事前知識と相互作用があるのか?

(3)参加者のマインドマップの要素(配置,中心テーマ,メジャー概念/リンク,マイナー概念/リンク)と理科の成績の向上の間の関係とは何か?





Method



実験計画

・2 × 3のポストテストのみの計画
 (2=マインドマップ使用,不使用。3=事前の学力テスト成績:高,中,低)

・従属変数:介入後の生徒の成績

・ターゲットのクラスの4つを,ランダムで2つを実験群,2つを統制群に分ける。

・データ収集の一ヶ月前に,マインドマップ(実験群)とメモ要約(統制群)の体系的トレーニングを受けた。(マインドマップの体系的な描き方は,Buzan(1976) を参考)
 → 研究者が作成した多肢選択テストを用いて,介入後の理科の成績を比較。



初期マインドマップ(early mind map) と後期マインドマップ(exit mind map)

・実験群の2つのマインドマップ (研究の初期に作られたもの(early mind map)と,後期のもの(exit mind map)が収集され,体系的に分析,比較された。

・後期マップは,学力テスト別にされた後も比較された。



Participants


・62人の生徒(13~14歳。実験群と統制群にランダムに振り分け(各31名)

Intervention

・介入における教示的一貫性を保証するために,研究をおこなった期間の中で,詳細なレッスン計画を準備して行った。

・計画は,各教示の週の始めに,他の研究者によって精査(review)された。



Mind mapping instruction


・Buzan and Buzan (1993) and Margulies (1995) から採択したテクニックを用いて,1ヶ月間,授業の一環としてマインドマップ教示をうけた。

・おおまかな手順
  ①教科書から,重要語(or 概念)のリストを作る
  ②研究者(=教師)が,マインドマップとその作成手続きを紹介
  ③色付きクレヨンを配布し,マインドマップ作成を教示
  ④マップをクラス内で共有
  ⑤ 以降4週間にわたって,授業の最後の10分間はマインドマップ作成する

・どの概念,アイデア,情報を用いるかは,生徒次第



note summarization instruction


・統制群の生徒は,ノートをまとめる特別な手順が与えられた。

・授業の最後に,独自のメモ要約を作成

・目的:実験群のマインドマップを作成に対してしてターゲットの理科概念にかける時間を,カウンターバランスするため。



independent variable


・「マインドマップ作成」(or 不作成)が独立変数

・それぞれのマップの6つの要素 

(a)中心テーマ:ターゲットの理科の内容にある主要な概念やトピック。1つ or 少数の語で表され,多くの場合マップの中心に配置される
(b) メジャー概念:中心テーマに最も関連しており,1つ or 少数の語によって表される

(c)マイナー概念:メジャー概念に続くアイデアであり,暗に(implicitily) 中心テーマと関連がある。たびたび,フレーズで表される。

(d)リンク:メジャー概念,マイナー概念,中心テーマ間の方向やリンクを示す構造(例:線 or 矢印)

(e)アイコン or デザイン:あるアイデアを示すシンボル,絵,いたずら書き(doodle),模様,幾何学的図形。

(f)記号(legend) :マップ状のなにかのアイコンやデザインを示すもの



dependent variable


・NAEP(National Assessment of Educationl Process。1999年)基準で,生徒の学力レベルを測定した。

・2つのカテゴリ(①概念的理解,②実践的推論)と3つの水準(basic, proficient, advanced)における,NAEPの「理科を知っており,行っている」知識の領域をターゲットとしている。

・2つのカテゴリ
   ①概念的理解:「理科の調査のプロセスに使用されるツールに関連する基本的な概念を理解する能力」
   ②実践的推論:「理科の知識,技能,性質を応用することによって,日常の問題への効果的な解決策を与えること」

・3つの学力レベル
   ①basic: 必要な知識の部分的な熟達。基本的な技能。
   ②proficient : しっかりとした学業成績(問題に取り組む能力,知識,応用など)
   ③advanced : ↑のproficient よりもさらに好成績。



moderator variables (調整変数)


・PSA (Prior Scholastic Achivemen。事前の学業成績)が調整変数となる。

・PSAの3つのレベル(高・中・低 を決定するために,学力テスト成績が用いられた。
   ■高成績者(どちらの群も n = 19):全体の成績の85%以上
   ■中成績者(どちらの群も n = 31): 75〜84 %
   ■低成績者(どちらの群も n = 11): 74%以下であった。



Control variables


・教師,教育方法,理科の内容(content),クラス環境,タスクにかける時間を統制した
   → 「授業の最後の10分を,マインドマップor メモ要約作成にあてること」以外は,普段通りの授業を行った。



Instrument


・教示後の生徒の成績は,研究者によって作成されたテストを用いて測定された。

・テストは,2つのカテゴリ(概念的知識,実践的推論)と3つのレベル(basic, proficient, advanced)における,(NAEP (1999) の「理科を知っており,行っている」領域をターゲットとした30項目の多項目選択からなる。

・Table 1 :ターゲットのテスト項目の数とパーセンテージの,各カテゴリとレベルの割り当て。

・4人の理科教師が,テスト内容の妥当性を評価 → 修正 → 最終版に





Data Analysis



テスト成績の分析


 ■テスト項目への正確な解答は,「1」,不正確なものは「0」
    (テスト得点は,0〜30点)
 ■テスト平均得点の比較のため,2つのMANOVA を行う。
    (独立変数:マインドマップ(使用 VS 不使用),調整変数:PSA(高・中・低)

   分析①従属変数:3つの水準(basic, proficient, advanced)

   分析②従属変数: 学力のカテゴリ(概念的理解,実践的推論)

   → 統計的に有意だった場合,次に単変量解析を行う。




マインドマップの分析


■コード化基準( coding schema) を作成した。

(1) マップの配置:線形と比較して,マインドマップはどのようにウェブ状となっているか。記号が用いられているか。異なるアイコンが使用された数

(2) 中心テーマ:マインドマップにおいて,テーマが実際に概念・アイデアの中心となっているか。セントラルテーマはアイコンで表されているか。

(3) メジャー概念へのリンク(or アイデア);メジャー概念が,概念的に中心テーマと関係があるか。リンク数は,「生徒が,重要なリンクを見逃したこと」を示すことと比較して,十分であるか。メジャー概念が,アイコン,シンボル,カラーで表されているか。

(4) マイナー概念へのリンク(or アイデア):マイナー概念が,概念的にメジャー概念(or アイデア)と関連があるか。マイナー概念へのリンクの数は,各メジャー概念へと向けられるリンクの平均的な数によって決定されるマイナー概念へのリンクの数。マイナー概念が,アイコン,シンボル,カラーなどによって表されているか。


コード化スキーマの妥当性の検証


・コード化基準作成者(中学校の化学教師)をトレーニングした。
   → 検証の結果,高レベルの同意となった。(。詳細は省略)



後期マインドマップを3つの下位グループへ分類


・目的:マインドマップの異なる要素と成績の向上の関係について調べるため

・「概念的理解」カテゴリ(17項目/全30項目)のテスト成績に基づいて作成
①GCU (Good Conceptual Understanding) : 85%以上の成績,N=9)
②MCU(Moderate – – ) : 71 〜 84%の成績,N=12)
③PCU(Poor – – )   : 70%以下




Result




理科成績におけるマインドマップの影響

・Table 2 は,それぞれのカテゴリーと学力レベル別のテスト得点,平均値を示す(※パーセンテージ表示に変換されている)

・従属変数:学力カテゴリ,についての分析結果(Table 3)
 (独立変数:T(Treatment。マインドマップ使用 VS 不使用),
調整変数:PSA(高・中・低))
   → 有意差あり:T (p<.001),PSA (p < .05)
    有意差なし:TとPSAの交互作用
   → 続くANOVA の分析で,「マインドマップ群は,2つのカテゴリの両方において,有意に得点が高い」ことが明らかに

・従属変数:学力レベル,についての分析結果 (Table 4)
   → 有意差あり:T( p < .0001)
     有意差なし:PSA,TとPSAの交互作用
   → 事前の学業成績とは関係がなく,マインドマップ群は得点が高い



参加者のマインドマップの性質,概念理解においての効果の関係

・マインドマップのイラスト例 (Figure 1)

・実験群の初期マップと後期マップは,配置,中心テーマ,メジャー概念とマイナー概念へのリンクという観点で分析・比較された。

・実験群の3つの下位グループ( GCU, MCU, PCU)別にマインドマップの要素を調べた



マインドマップの配置

・全ての生徒のマップは,ウェブ状(網状。Web)の形をしていた.
   →ターゲット内容のアイデアを表すのに,簡単or 便利であった?

・マップの主な違いは,記号の使い方
   → 初期マップでが記号使用は少ない(⇔後期マップではより多くの記号を使用)

・アイコンの使用は減少 
   ■全体的にアイコンを使用した生徒は少なかった。
   ■アイコンを使用した生徒(20%)は,初期マップでは,平均4つのアイコンを用いていた。しかし,後期マップでは平均2つの減少
   ■アイコンは,生徒にとってあまり便利ではない?
    → 理由の考察①:アイコンの作成には創造的能力が必要
           ②:学習にあたり,アイコン作成の時間と努力は割に会わない

・GCU,MCU,PCUの生徒のマップの配置に,違いはなかった。



中心テーマ

・中心テーマが授業で教師が示したもの(授業で一度呈示)と似ているかを分析
   →もし違っていれば,違いは①単なる言葉づかいか,②概念的な違いか?を分析
   →結果:初期マップでは 62.5%が教師と同じ中心テーマを作成
       ⇔後期では,37.5 % に落ちる。
   →考察:マップの経験を積むにつれて,より個人化された表現をするようになる

・ほとんど全ての中心テーマは,アイコンではなく,語で表されていた。
  GCU群の全ての生徒(=100%)は,教師が示したものと,言葉づかいは異なるが概念的には 同じマップを用いていた。(⇔MCU,PCU群:80%)

  


メジャー概念(Major concept)とのリンク


・メジャー概念へのリンク(from 中心テーマ)の分析(Table 5)
結果の特徴:

(a) 中心テーマからメジャー概念へのリンクの数
    → 4〜6このリンクをもつものは後期マップで増加

(b) 科学的に正確なリンクの数
    → GCU群の全員は,科学的に正確なリンクを作成していた

(c) メジャー概念が,アイコンによって表されているかどうか
    → ほとんどのアイコンは用いられていない。

(d) メジャー概念に,色づけされているかどうか
    → GCU群は,色づけした人が多い(80%)



マイナー概念(minor concepts) へのリンク


・マイナー概念へのリンクの分析 (Table 6)
結果の特徴:

(a)メジャー概念からマイナー概念への平均リンク数
    →①3〜4つのリンクをもつマップは二倍以上に
     ②PCU群の6つ以上のリンクをもつマップ → ほとんど不正確

(b)マイナー概念がアイコンで表されているかどうか
    → アイコン使用は減少

(c)マイナー概念がカラーで表されているかどうか
   → カラー使用は全体的に減少。しかし,PCU群のカラー使用は多かった
 




Discussion and Conclusion




マインドマップのポジティブな効果

・マインドマップ不使用の生徒に比べて,実験群の生徒は,全てのターゲットカテゴリ(概念的理解,実践的推論)と学力レベル(初歩,上達,高等)において,統計的に有意な効果があった。

・マインドマップ群は,介入後の学力テストの概念的理解と実践的推論において統制群よりも平均して15%高い得点(←実践的にも有意義!)
   → PSA別の成績の向上:①basic → 11%↑
              ②proficient → 9%↑ (最小の効果)
              ③advanced → 32%↑(最大の効果) 



マインドマップの効果は,事前の学力成績とは無関係


・根拠:マインドマップ使用とPSAの交互作用は,2つのカテゴリの両方で統計的に有意ではなかった

・メタ認知的方略や他の視覚的ツール(コンセプトマップなど)の結果との違い
   → 他の研究では,「高学力や低学力の人よりも,平均的な学力の人の方が効果が高い」という結果となった。
   → 考察:マインドマップは生徒によって,構造化され,より個人的だから?



マインドマップ使用で,より「個人化」

マップの観察から見られる変化:

① マインドマップの練習の後,実験群の多くは,中心テーマを個人化した。

② ターゲットの概念の理解や再生を向上させるために,概念のラベルを簡潔な説明 or 概念へと置き換えていたことが,たびたび見られた。

③ マインドマップ練習授業の際,特に協調された点はなかったのにも関わらず,生徒はアイコンをあまり使わなくなり,カラー,etc.を用いるようになった。
   →知識構造を表す必要性に応じて,マップの要素をよりカスタマイズしていた。



アイコンは重要ではない?

・「アイコンは,マインドマップで中心的な役割」と仮定される(Buzan, 1974)
   →しかし,その仮定とは相反する結果に:
    ①本研究では,アイコンを用いたのは少数であった。
    ② アイコンの使用と概念的理解の成績には関連がなかった。

・アイコンがあまり用いられなかった結果への考察:
①アイコンと,その使用の導入トレーニングが効果的ではなかった。
②アイデアや理解の表現に,語の方が簡単であった。
③アイコンは,マインドマップにおいて重要ではない。
   → これらを確かめるための,さらなる研究が必要であろう。
  


カラーはマインドマップで重要な要素


・研究全体を通して,大多数の参加者(60%以上)は,全てのメジャー概念とマイナー概念を表すのに,カラーを用いた。

・GCU群(概念的理解が高い)は,その他の群に比べ,カラーを多く用いていた。



ウェブ状の表現は重要な要素

・全研究を通して,全ての参加者は,ウェブ状のマインドマップを作成した。

・厳格な構造をもつものや,階層的なもの(cf. コンセプトマップ,フローマップetc.)をもつマップを描く人はいなかった。
   → 主張できること:
     ×「階層的 or 厳格な方法で,理科の内容を考えなければならないことに効果がない」
     ♡「構造化された視覚的ツールは効果がある」
   → しかし,「マインドマップでは,より柔軟で個性的な知識構造を構築がなされる」という可能性がある。
   → この柔軟性が,「生徒の事前の学力レベルとは関係なく,学習効果がある」という結果と関連するのかもしれない



・本研究の結果は,仮定的なものにすぎない
   マインドマップが,他の構造的視覚的ツールと比べて優れているかどうか等は,同一群の参加者の比較を用いて,行う必要がある。
   より多くの内容や学習範囲において,今後検証されていくべき。




執筆後記


ふぅ。ゼミでやったやつをそのまま貼り付けただけで、
体裁をワードから、HTML形式に置き換えただけだが、中々の分量で少し疲れた。

もちょい、ポイントを絞るべきだよなぁ。
まぁでも、既にやったやつは「そのまんま」の方式で行こうかな。



140329


アイコンの 利用は理解と 関係ない?


初めての一人、自己満ジャーナルクラブ。
ことはじめの今月は、月1のノルマ、滑り込みセーフ。
Better & Better.




危機の構造―日本社会崩壊のモデル (中公文庫)
危機の構造―日本社会崩壊のモデル (中公文庫)

科学的推論の特色は、全体的パースペクティブのもとにおける諸要因間の複雑な相互作用を考慮に入れ、体系的分析によって常識では知られないような情報を提供するにある。「予期せざる結果」の説明、これこそ科学的推論のメリットでなければならない。
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